2017年2月28日にNHKで放送された「クローズアップ現代+」は、「さらば 遺産“争族”トラブル ~家族で解決!最新対策~」とのタイトルで、相続トラブルが多発している現状と、その解決手段の一つとして家族信託が紹介されました。
番組には、当法律事務所の代表弁護士 竹内裕詞が理事を務める日本相続学会の副会長を務める吉田修平弁護士が出演し、相続問題と解決方法について解説していました。
「認知症による資産凍結」トラブル
番組では、「親が高齢化して、『認知症による資産凍結』トラブルが多発」と紹介されていました。
実際に、認知症などで判断能力を失った方の名義の不動産や定期預金といった資産が、売却したり、取り壊したり、解約払い戻ししたりできなくなり、「凍結」されてしまう例は珍しくありません。
本人が判断能力を失ってしまうと、財産処分をする意思決定や、売却や解約などの処分をする手続を自らすることができなくなってしまいます。本人に判断能力がなければ、司法書士も登記手続に協力してくれませんし、金融機関も解約払戻に協力してくれません。
判断能力を失った方に代わって財産を管理・処分する制度として「成年後見」がありますが、成年後見はあくまでも本人の財産を維持管理するための制度です。例えば生活費や施設への入所費を捻出するためなど、処分を必要とする理由がなければ、不動産を売却したり、取り壊したり、定期預金を解約払い戻ししたりすることはできません。
家族信託による解決
そこで利用されるのが「家族信託」です。
家族信託は、財産(信託財産)を、例えば息子など信頼でいる人(受託者)に託して、信託で定めた目的(信託目的)に従って管理・処分してもらう制度です。
成年後見のように「財産を処分するほかない」という状況でなくても、家族信託の場合は、信託目的に沿った処分である限り、受託者は信託財産を処分することができます。
資産の積極的な運用とか、相続対策など、成年後見では処分が認められないような目的であっても、家族信託であれば財産の管理処分が可能であり、注目されています。
「クローズアップ現代+」でも「最近のミラクルな相続対策」として家族信託が紹介されていました。
さくら総合法律事務所でも、相続トラブルを回避するために、家族信託を積極的に利用しています。
関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
代表弁護士が共同執筆した「事業承継・相続対策に役立つ 家族信託の活用事例」(清文社)でも、家族信託の仕組みや実例について詳しく説明しています。
家族信託について関心のある方はご参照ください。